そういえば、去年の今頃は何を思っていたのか。
そう思い、過去のこのHPの履歴を検索してみた。
いまさらがなら思うが、結構書いている。
だが、書いている内容は今と1年前と大差がない。
頭の中が一切進歩というものを拒んでいるのであろう。
暇だったんだなと、我が事ながらうらやましく思った。
まあ、人生色々、仕事も色々である(ニヤリ)。
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さて、表題の件。
先般、いつものやうに、本屋をうろつき、前々からかおうと思っていた書籍を購入。
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』
(岩崎夏海著、ダイヤモンド社)
P.F.ドラッガーをご存知であろうか。
大昔の人、というほど昔ではないが、マネジメントについての大家と呼べる人である。
とは言え、私はまだ読んでないのだが。
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設定は、タイトルどおりである。
ドラッガーの言う”マネジメント”を、野球部のマネージャーの為のものと
勘違いした主人公が、本来は企業のマネジメントを目的とした著書を読み込み、
野球部のマネジャー業務に適合させていくというもの。
まあ、著者が放送作家であるためか、多少物語の展開を焦りすぎと思ってしまうが
マネジメントのポイントを理解するうえでは十分である。
特に高校生あたりの上級生という立場に置かれた人間に、おススメできる。
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例えば、こんなことを考えたことがあるだろうか?
「自らの事業は何かを知ることほど、簡単でわかりきったことはないと
思われるかもしれない。~中略~
『我々の事業は何か』との問いは、ほとんどの場合、答えることが難しい問題である。
わかりきった答えが正しいことはほどんどない。」
(引用:『もし高校野球の~』p.25
原典:『マネジメント~エッセンシャル版~』p.23、P.F.ドラッガー著、ダイヤモンド社)
ボクシング部とはなんだろうか?
その前にボクシングとはなんだろうか?
イメージとしてこんな感じ、と言うものはあってもそれを明確にして
簡潔に答えられるだろうか?
しかし、こういう根本、つまりコアの部分がなければ、大いなる成長は難しいと思う。
逆に根本、コアの部分があれば、技術的なものであったり考え方というものは
簡単にとはいえないが、時間、或いは手間をかければ吸収できるものであろう。
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最初のほうを書いていて思い出した言葉があるので、それも記す。
戦艦大和沈没前に、士官であった臼淵大尉の言葉
「進歩のないものは決して勝たない。負けて目覚めることが最上の道だ。
日本は進歩ということを軽んじすぎた。
私的な潔癖や徳義に拘って、本当の進歩を忘れてきた。
敗れて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるのか。
俺たちはその先導になるのだ。日本の新生に先駆けて散る。
まさに本望じゃあないか」
(『決定版 男たちの大和』 辺見じゅん著、原典:『戦艦大和ノ最期』 吉田満著)
私は始めてこの文章を読んだとき、感動してオイオイと泣いてしまった。
が、誰かを感動して鳴かせるために、臼淵氏はこう語ったわけではない。
泣いていてはダメなのである、行動せよということである。
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確かに、大和の最期は戦争という極限状態でのことであるので、
臼淵氏への批判という風にはとってほしくないのだが、
同じことをしていては、ボクシング部ではダメなのである。
確かに進歩ということを軽んじてはいけない。
だが、多くの教材があるこの情報化された社会で学ばないことは、
当時以上に”進歩への軽視”ととられても仕方ない、と思うのは
ワタクシだけだろうか。
by 少なくとも”マネジメント”をしてもらうつもりでいるマネージャーに関しては
”進歩の一助”となるよう、『もし高校野球の~』を渡すつもりでいる、かんとく