ドクター浜野先生、友野先生、金審判長をはじめ兵庫県連盟の皆様 、
ご協力のほどありがとうございました。
ならびに島村会長をはじめ、師走の忙しい時期にわざわざ西宮まで
足を運んでいただいた立教大学OBの皆様、ありがとうございました。
関学のOBの方々、応援のため会場に足を運んで頂き、ありがとうございました。
良き相手とともに、ご協力を頂いた皆様のおかげで成り立つのが
大学ボクシングというもの。
競技をやっている関学、立教に限らず、選手諸君には是非ともその事
心と頭の片隅において、日々の行動を選択してもらいたく思っています。
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さて定期戦の総括、案外立教さんにも好評だったので、
今回はちょっと長めに書くことにします。
※オープン戦 (2分3R) B原口(1)・無判定・川合
川合君はキャリアもまだ少ないそうだが、しっかりしたパンチを打っていた。
対して原口の方は足の使い方は良いところまで来ているけども
ポイントをとれるパンチではなかったので、ワタクシがポイントをつけたなら
川合君につけていたとおもう。
川合君に身に付けてほしいのは、連打に行く前に緩急をつける二点。
そのために①ジャブ・ジャブ・ワンツーという方法にプラスして、
ジャブ→左ダック→ジャブや、ジャブ→フック、ジャブ→左ダック→アッパーなど
前の手の使い方の工夫。
②ジャブを打ちながら前に出るだけでなく、ジャブを打って一旦ステップアウト
その後に再度強く打ちこむという、足の使い方。
対抗戦の前日、和久井監督とともに会食に参加してくれた神宮君も
足の使い方は非常に重要性について、うちの藤沢コーチと話していたので
教えてもらうと良いだろう。
原口はしっかりとした打ち込みの練習を。
強いパンチが出せないと強い相手と戦ったとき、全くポイントは入らなくなる。
ステップイン、ダン!ダン!という、ロングで強く打つイメージでサンドバッグ打ち。
これをラウンドという感覚ではなく、毎日最低100本位はやってほしい。
出来れば200本。
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F1 田村(2)×RSC○松本直也(1R1’46”)
松本君は良いボクシングができていたと思う。
先鋒に彼のような選手がいれば、チームで臨む対抗戦やリーグ戦では非常に心強い。
去年甲斐に敗れた松本君だが、その敗因(つまり甲斐にとっての勝因)を
自分のモノにしていた。
上しか打てなかった前回から、ボディーで的確にポイントが取れる
スタイルになったのは大きな進歩だと思う。
後は打ち込むリズムの変化があると、田村のような足を使う選手を追い続けなくても、
相手が不用意に出てきた所(バランスを崩した状態)に打ち込むこともできる。
ステップインで打つだけでなく、アウトしてから再度打つトレーニングをすれば良い。
田村の敗戦は残念だが、攻撃力のなさが要因だ。
元々攻撃力自体はあるけども、相手の攻撃を避けることに意識が行き過ぎて
強く打つためのバランスが崩れている。
例えば足幅が変わっている、或いはステップバック時、重心が後ろに乗りすぎている、
或いは打ち込まれたときのガードが前傾し過ぎて、自分が打ち込むべき場所がない。
足を使う選手でキャリアのない選手が強い相手と当った時、
ジャブを打ちながら先に自分が攻めていく形でなければバランスは崩されてしまう。
防御に回ろうと思わずに先にいい形で打ち込み、ガードさせてしまえばよい。
そうすれば再度足が使える。打ち込まれて足を使っていては強い攻撃はできないので
相手はどんどん出てくることになる。
まあ筋力のバネなど、才能自体は非常にあると思うので、
自分で相手をコントロールするための組み立てを意識して練習してほしい。
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F2 二葉(2)○ポイント×佐藤(12-9)
佐藤君も体重の乗った良いストレートを打てている。
これは素晴らしいことだ。だからこそ言わせてもらうならば、
二葉のようにかわして打つタイプの選手に顔を狙って打つ必要はない。
顔をねらって打ったら2/3位の確率でかわされ、さらに打たれれば
誰でも対応策を考えたり、逆にもっと攻めないとという焦りが生まれる。
ボクシングにおいてポイントをとるため、顔を狙うのは当たり前の話だが、
その概念自体を捨ててしまえば、一番簡単なのは、顔を狙わないという事である。
顔を狙うから、腰を支点とした上半身の動きによりかわされる。
顔よりも支点に近い箇所は顔の位置よりもブレが少なくなる。
分かりやすい例なら、五円玉にひもを通して左右に振ればよい。
五円玉の位置よりも持っている手に近い個所の移動は軽微だ。
胸あたりに落とすようにストレートを打てば、結果としてダッキングした相手の
ガードや肩に当たるので、それ以上は前に出てこない。
こうなればその後に攻撃を続けやすくなる。
二葉は勝ったけれども、いつものように二葉は点数とられ過ぎ。
ボディや左フックでしっかり打てているのに打たれた際に
相手から逃げようとするから、被弾時に吹っ飛ばされているように見え、
点数を取られてしまう。相手のパンチはデコで受けるつもりで
ダッキングをすれば、結果として相手のパンチは避けられる。
もちろんダッキングしたらすぐ攻撃なのだが、イメージとしては
ダッキングと同時に攻撃するくらいでないと相手には届かない。
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B1 田鍋(3)○ポイント×川部(5-3)
川部君はせっかくロープ際に相手を押し込んだのならば、
その位置から逃がさないことを第一に考えた方が良かったとおもう。
ロープ際で体重を乗せての連打はダウンをとる点で有用なのだが、
田鍋のようなタイプとやるときは、位置を変えられて仕切り直しされる
デメリットが大きい。
打ち込む前に前の手、或いは奥の手のストレートをフェイントにして
一点、二点をとることを繰り返す方が良いかと思う。
それを相手とロープ際をキープした状態で数回くらい繰り返せれば、
大して効いていない様子でも審判はダウンをとることもある。
ロープ際で何もできていないということはかなり危うい状況だから。
一気に行くのは、そのタイミングがさえわかれば、アウトボクシングの
うまい選手には、外して一、二点をとりステップアウトしやすい方法になる。
一気に行くという方法も残しながら、ロープ際から逃さない足運びと
ジャブやフェイントの使い方があれば試合運びが楽になると思う。
田鍋はまだ技術のない選手とマスをする時は左ボディの練習をしましょう。
リーグ戦に向けて、攻撃の選択肢を増やす必要があります。
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B2 大久保(2)○ポイント×松本京平(12-1)
京平君はサウスポー相手での試合に慣れていなかったか?
サウスポー相手の基本は、ジャブ或いは左で相手の右手甲を触ってから、
左前に出て右ストレート→左フック。
これを行えるように反復練習しましょう。
最初からいきなりサウスポーの選手とスパーリングするよりも、
まずは自分でもこの位置で右ストレートを打ったらいいんだと思えるように、
①別の人に右構えで右手を伸ばしてもらい、左手で右手甲を触る
②左前にステップイン(この際に右手の外側に頭が来るように)
③右ストレート→左フック
ちなみにうちのオーソドックスの選手もこの練習はしておきましょう。
その後でサウスとスパーリング、できなければこの反復を再度やってから
サウスと再度スパーリングしていけば、距離感なども身につくと思います。
大久保は蚊のようなパンチを序二段に昇格させた甲斐があった。
だがチャンスには一気に攻めるという点、立教の選手を見習った方が良い。
チャンスに前に出るのが一拍遅れる。
“かつての”パッキャオのように獰猛になりましょう。
今日のパッキャオは位置取りが雑だったな、、、。
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L 橋場(2)○ポイント×長尾(5-4)
長尾君に減点があったので橋場が勝ったが、
長尾君は最近の全国の試合でどういうパンチがポイントに
取りやすいのか、指導の先生方とビデオをみながら
話を伺うなどをよく研究した方が良いと思う。
ハンドスピードがあり、上半身の回転を行えるので色んな角度からの
攻撃が行えるけれども、それはポイントには結びつかなくなった。
強いパンチをここ一番で一撃入れなければ、ポイントが入らなくなった。
彼の特性を生かしつつということを考えるならば、
上半身にストレートで4,5発まとめ(捨てパンチ)、踏み込んでボディや
ストレートを上下に4,5発散らしておいて、飛び込んでの右フックとか。
まあセンスはあるので、後はやり方次第だろうと思う。
橋場は防御はよくなったけど、スコアが示す通り攻撃回数が少なすぎる。
ディフェンスしたらすぐ返さないといけない。
ブロックだけでなくダッキングとウィービングも取り入れて、
それと手を出すことを組み合わせた練習をしなければ、
今回は『ただのまぐれ』と後世に語り継がれることになろう。
↑ 試合に勝って嬉し泣き。悔し泣きにならないように、もっと技術つけなあかんで。
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Lw1 高木(3)○RSC×天野(3R1’42”)
天野君はせっかく減量したのに勿体なかった。
京平君と同じくサウスポー対策もやっときましょう。
サウスポー対策でよく言われるのが左に回れですが、
ワタクシはこの言い方は正しくないと思います。
サウスポー相手は左前(つまり相手の右足の外)に
ステップインすることが主であって、別に場合によっては
右回りをするのも悪いことではないとも思います。
とは言え、それは結構高度な技術になってくるのでまずは基礎を。
高木は強くなったとOBも言っているので、引き続きしっかり。
あとはパンチの受け方が二葉と同じく、大して効いてなかろうに
吹っ飛ばされてるように見える場面があるので、その対策をどうするか。
この冬はロングと合わせて、坂ダッシュをしておいたらよかろう。
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Lw2 吉田(3)×ポイント○西井(3-5)
3R目の抜いて左で2点取り、西井君がとった試合だった。
立教のOBの方々が応援でおっしゃっていた通り、打って入った方が良い。
吉田が大きいから入れないなあ、と思っていたら時間ばかりが過ぎる。
先に相打ちになる形でいいので打ち込み、入る姿を印象付けて
その後、ステップインや前の手でフェイントをかければ攻めやすかったと思う。
吉田は2ラウンド目はよかった。3R目、右ストレートが抜かれて負けたが
これは技術のあるサウスポーはまま使う手であるので、
右ストレートをフェイントに使い、相手の抜いてストレートを打たせ、
ロングの左フックを当てればカウンターになる。
まず最初にやるべき事は、わかりやすい右ストレートの修正。
試合前に高校生がやっていた練習、リズムをとらずにその場で
右ストレートを打つという練習を、来週の西宮香風高校での練習会の際に、
東浜先生に教えてもらおう。これは他の一年生もやっといたらいいと思う。
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W 山内(2)○RSC×小林(1R2’15”)
小林君はレセプションの時に言った通り、右手の位置の固定が第一。
その次にやるべきはどんな構えが自分に合っているのかをチームメートに
教えてもらおう。
例えば左手を大きく構えたとき、或いは左手を外目にしたとき、
左手を軽く下におろした形、腰を落としてみたり、アップライトに構えたり。
どんな時相手は打ちにくいなあと思うか、通常の練習の前に確認する。
ファイターが嫌だと思う構え、サウスが嫌だと思う構え、
構えをちょっと変えて向かい合うだけで、いろいろ気づくこともある。
ワタクシは試合が始まって1R30秒くらい経ったとき、
何ラウンド目か分からないけれども、これは山内が倒すと思った、残念ながら。
ということは何かしら危うい構えであるということだと思う。
もちろん自分が考えるだけでなく、指導の先生方にどういう構えが
しっくりくるか、自分の思いとは違う目で見てもらうことも重要である。
山内君、試合でボディ打ち出して行かないと、リーグ戦本番で使えないよ。
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M 濱野(1)×ポイント○神尾(6-11)
神尾君も小林君と一緒で、一度構えのやり方を一工夫した方が良い。
体力の押し合い、近距離でのパンチをするよりも、
もっと自分の体格を活かせる構え、打ち方があると思う。
手前味噌な話だが、Bの大久保のパンチ力が上がったのは
「構えた所からどの位置にパンチを出すか」を変えたことが大きい。
神尾君のばあいなら左膝がどういう角度か、その角度の方向にパンチを出すのと
その外側に出すのは、パンチの出しやすさや強さ、感覚が変わってくる。
試した中で一番いいパンチが打てる所に相手がいれば、
自分のパンチを活かしながら相手を押し込めるものである。
何も今回の濱野との試合のように、ボクシングなのか相撲なのかわからない
ボクシングをする必要はなかろう。疲れるし。
濱野も一緒で何故頭をとられる状態になってしまうのかを理解すべき。
疲れがたまった時に腹筋を曲げておいた方が楽なのである。
ダッシュ走を何本もやった後には、どんな競技者でも前屈みになり肩で息をしている。
これは体の自然な反応である。
それをよく理解し、その状態にならないように日々の練習をしなければならない。
と同時に疲れればそうなって当たり前なのだから、疲れたときそれを犯則とされない
ガードの位置であったり、ダッキングの正しい動きを身に付けるべきである。
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さて、試合に出なかった選手たちよ。
立教の選手は、大学から始めた選手が非常に強くなっている。
無論、ボクシングをするならば勝たなければならないし、勝つためにやっていると思う。
だが、松本直也君のように去年の敗戦したとしても、その後相手の良き点を認め、
それを自分に取り込むことができれば、敗戦をその文字の意味以上にできる。
もちろん勝った上で、さらに相手の良き点を取り込めばなおのこと良いのだが。
人生は勉強だという。社会人の方が大学生の時より勉強しないといけないとも。
何か非常に苦しく嫌なイメージもあろうが、同時に松本君のボクシングの姿勢を見ると
勉強するということに、さわやかな意味を感じられる。
非常に面白い試合が見れて、人の成長を喜べるようなこの関係に感謝します。
by レセプション時の低いレベルの一発芸を遺憾に感じる共に危機感が高まったので、
高木主将から学生本部に相談してもらい、フレッシュマンキャンプの時、
うちの部員だけが一発芸を披露する時間を作るべきだと思う、かんとく