『任務』について byかんとく

最近読んでいる本。

杉山隆男著『兵士を見よ』(小学館)

杉山氏は前に書いた『メディアの興亡』の著者でもある。

氏には”兵士”シリーズがある。

現在、1巻『兵士に聞け』700頁を完読し、これが2巻目(これも700頁弱ある)である。

続いて3巻目『兵士を追え』、4巻目『兵士に告ぐ』を読まなければならない。

忙しい。

もっともこう書くと、最近かんとくがやたら五省だの、自衛隊だのと書いている理由が

透けて見えるだろう。

全く影響を受けやすいワタクシ(ニヤリ)。

・・・・・

まあ、兵隊とは言われないシステムに則って成立した自衛隊という

組織の云々がこのシリーズの柱だが、

現時点で、色々な部署の物語を見ていると、仕事というものに対して

其々のセクションで、或いはその中にいる人間においての考え方に気づく。

『兵士を見よ』の一部を引用するなれば、

「同じ言葉を使っていても、例えばミッションという言い方でも

救援隊は実際に救出活動のことをそう呼ぶが、

F15という戦闘機に乗るものは、国籍不明機を撃墜することではなく、

追っ払う為の訓練そのものをミッションという。

実際に遭遇した場合に、追っ払うのは実ミッションという」とのこと。

つまり、そこに言葉の意味に差があるということは

仕事に対して何を重点に置くか、ということにもずれが生じる。

自衛隊のことではなく、仕事や自分が取り組む何かに対して、

このズレという感覚は、早い段階で気づいておいたほうが良いだろうなあ、と思う。

・・・・・

さて、そんなことはさておき。

同居人のきむ(あだ名)が、3月に我が城から出て行くことになった。

彼の勤める、飲食店を多数経営する会社は業務エリア拡大を推進しており、

山口県の周南店に転勤となる。

ということで、ただいまそれを前に近郊の店舗を見て周る研修中なのだが、

それでいたくご立腹の様子。

例えば、

きむ「お客さんがカウンターに並んで、○○うどんって注文しとったんよ。

  で、まあ手元のうどんの在庫が切れとったんじゃろうけど、

  ただ『あと5分くらいかかりますわ』とか言っとったけえ、

  『そういう言い方はないじゃろう』って怒ったんよ。

  そしたら『いや、今からゆでるから時間かかるやろ?』と言っとった。

  でもそれはお客さんには関係の無いことじゃろ。

  元々の考え方が結局自分の”作業”にしか向いてないってことよね。

  言うなら自分の段取りが悪いせいでしかなく、お客さんには関係ないことなのに、

  30代後半にもなってそんなことにも気づかんのかと、情けなくなったわ。

  俺がお客さんに謝ったあと、その社員は俺に謝ったけど、俺にすることじゃなくて

  そういうものの考え方が、お客さんを前に出てるんよね。」

かんとく「そりゃあ、きむ。社員のみんながみんな、モラルもある、情熱もある、な訳はないよ。

  研修で教えられても、わからん奴は作業としか理解できないじゃん。

  現に例えばハンバーガーチェーンとか行って、作業としての笑顔は

  バイト君だってできてるけど、それが作業だから出来てるだけで。

  単に作業だけでは意味がないことに、情熱や思いをどこに向けた仕事ができるかは

  体験を通してでないとなかなか得られんもんだしなあ。」

きむ「でも30も超えてそれじゃまずいじゃろ?

  他の店舗の店長でも、よう仕事できるって聞いとったけえ、どんなかなと思ったら

  エレベータの中でタバコ吸って捨てるという、モラルがない奴やったから

  これでええんかと思ったわ」

かんとく「まあ、仕事が出来りゃあ、会社は他には目を瞑っている状態かもしれんね。

  業務エリアの拡大ばかりに目が行ってるのかも。

  でも結局、それで拡大したって、結局ボロがでることは会社としても

  わかってると思うけどねえ。

  わかってなきゃ、返ってくるのは自分の会社、そして自分なんやから。」

・・・・・

まあ、上述の”作業”を”任務”に置き換えると、『兵士を見よ』を読んでいても

なるほどなあ、と思うところ多々。

なんてことを書いていると、原田隆史氏の著書を思い出しました。

現役の2回生の奴は読んどけよ。

by かんとく

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