昨日、会社の休憩室にて、某部長と話をしていると、
人事担当者がやってきて、某部長と来期の採用について話し出した。
ワタクシも少々立ち聞きする。今年の応募は昨年よりも多いらしい。
一時期、某ファンドや時代の寵児ともてはやされた社長のいた某企業が
盛んなM&A戦略を繰り広げていた際、空前の株ブームだったころ、
ワタクシの丁稚先はだいぶ応募が減っていた。
が、この不景気において、マネーゲームは形を潜め、
草食系男子達はブランドイメージのある企業への就職に躍起になっている模様。
昨日の某朝刊での就職先の人気ランキングも
マネーゲーム時代に比べるとその企業名も変っているが、
やはり名の知れた企業というのが上位に入るものである。
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学生に昔から変らずあるのが、自分が何となくでも
名前を知っている企業を選びがちということだ。
まあ、ブランドイメージという奴なのであるが、今のご時勢ネット空間の発展で
かつてでは考えてもみないような、ニッチ産業の企業を調べることも容易になった。
ある分野は超強いがパンピー(一般人)には、全く知られていない企業。
でもみんなそれを調べない。
というか、そういうものがあることを知ろうとしていないので、
もし目にしていても脳の中には残らないのかもしれない。
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勝手なイメージで、”シェアが高い=何もしなくても収益確保できる
=組織が硬直化している”と思っているのかもしれない。
まあ、若い人は、概して”新しい(といわれている)もの”が大好きだ。
が、世のパンピー(一般人)達が知っている新しい企業というのは、
実はすでに新しい企業とはいえない。
にも拘らず、パンピーが多数応募すれば、結果パンピーばかりになるものである。
それによって、そこにある技術も一般的なものになりがちなのだが。
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それに比べて、ニッチ分野で強い企業というのは、
これからの日本を作り出す尖兵となる要素を多分に含んでいる。
第一にパンピーが受けない。
知らないから当然である。
そんな企業であれば、パンピーであることが一つの強みになるかもしれない。
ニッチということは、その分野に関しては他の追随を許さないまでに特化しているもの。
その特化したものをどう活かしていくか、それを考えるのは
面白みのあるものであると思う。
そういう意味では、早いうちから将来の仕事を意識することも良いと思う。
だからと言って、どこどこに就職することばかりを考えろ、というのではない。
まずはアンテナを張りましょう、そして面白そうな企業があれば調べてみましょう、
ということである。
そのときになるだけ、誰でも知っている企業をワザと外して調べてみたら
と思うのである。
メジャーになればなるほど、その情報というのは知らん間に入ってくる。
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逆に大企業に内定している今年の四回生も、そういう意識を持って
仕事に接していってホシイ。
すぐに結果の出るものではないが、それが習慣化されていれば、
だからこそ大きな責任を任される立場になったとき、知識の量は膨大になっている。
それを自らの業務と組み合わせてみれば、よりよい方法というものが
選び取れる可能性は、まるで別次元というくらい高くなるはずだ。
明日は卒業式。
卒業生の不断の努力で、日本によき未来を切り開いてホシイ。
by かんとく