『昨日のジョー』について byかんとく

最初に書いておく。

表題の件、辰吉丈一郎のことである。

本日、TVにてかの選手のタイでの試合の放送アリ。

彼はもう終わったといわざるを得ない。

早く引退してホシイ。

彼の家族が、傷ついた彼を今後見続けていくことをみることが

いいことだとはとても思えないからである。

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何故、彼を否定するのか。

別に否定はしていない。

ワタシがボクシングの世界に入ろうと思ったきっかけは、

辰吉VS薬師寺の試合を見たからだ。

壮絶な打ち合いであった。

そのときの辰吉はボクシングこそ自分自身のアイデンティティーであり、

薬師寺は自分こそがチャンピオンにふさわしいんだという魂のこもった

すばらしい試合だった。

・・・・・

当時の私には、ボクシングの技術的なものは全然わからなかった。

ただ打ち合い、最後に二人が抱き合ったシーンが非常に印象に残っている。

辰吉はよくわかっていたはずである。

左ガードを上げず、フリッカーを打つのが薬師寺相手に不利なことなんて。

だが、「ボクシングは喧嘩や!」といい続けていた彼は本物のプロだ。

ワタシも見に行った大阪ドームでのウィラポンに倒されるシーンなんて

ほんまに明日のジョーで倒れる選手と変わらないほどの壮絶なダウンであった。

倒れるときまでプロであった。

別に狙ったわけではあるまい。狙ってできることではない。

でもそれができてしまうのが、辰吉丈一郎というプロだったと思うのだ。

・・・・・

だからこそいえることだが、38にもなる選手を

いつまでもメディアがあおり続けていいものではない。

彼の息子だってもう物事の分別がついている年だ。

だからこそ彼をこれ以上傷つけてほしくない。

これでタイトルが取れるのであれば、挑戦させることに意味はあろう。

しかし日本では試合のできない彼を、タイだったらできるからということで

追い掛け回し、その結果を「引退ですか、続行ですか」ときくことに

一体何の意味があろうか。

それを彼のファイティングスピリッツだと語るテレビ番組。

知らない人が見れば、次に辰吉を見たときの言葉は決まっている。

「頑張ってチャンピオンになってくれよ」

・・・・・

ワタシはプロがきらいなのではない。

実際、長谷川選手の試合はほんまに痺れた。

コイツはすごい、コイツは求道者だと思える試合だった。

ただ、プロを取り巻く環境の矛盾を感じざるを得ない。

そこまで必要以上に煽り立てる必要がどこにあるんだろう。

辰吉選手は間違いなく、日本ボクシング界に旋風を巻き起こした

すばらしい選手だ。

だからこそ、彼に接してきたメディアは中立な立場で

記事を、番組を作ってほしいと思う。

by かんとく

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