『黒か暇か』について byかんとく

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週末この本を読みでいたら、昨日はネット上に「疲弊する職場」の記事、

そして本日は「世界長者番付」の記事あり。

当然、コメント欄には「とんでもない会長だ」との記述多数。

多分遠からず、シンガポール国民になられることでしょう。

まあ、猫と違って日本国籍復帰など考えてもなかろうが(にやり)。

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しかしこの著書を読んでいて思う事。

この20年で日本の企業と働き方は大きく変わったというが、

果たして根本的な部分では何も変わらず、「いかに良く見せるか」の変化が

大きいように思う。

過労死するまで働かせる、という点では現代の職場は大変だが、

「24時間戦えますか」という疑問なのか、本当にそう思っているのか

分からんCMが流れていたのが、20年以上前であるのも事実である。

今も昔も、企業というものは社員(+家族)の生活を「人質」に取る政策は

少なくとも戦後ずっと続いてきたものである。

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少なくとも企業という存在は、良いといわれる人材を集めたいものである。

もしワタクシが社長であったとしても、悪い人材より良い人材を集めたい。

では良い人材はいかなる企業に魅力を感じるのだろうか。

かつては、生活のためだから「金」というのは当然として、

或いは他人に対する優越感に浸るために企業の持つ「ステータス」、

長く働くためには良い仲間に囲まれたいという「社風」であったかもしれない。

そしてバブル期頃から、おそらくこの価値観が学生に芽生えてきたのだおる。

「自己実現」である。

・・・・・

「自己実現」が世に広まった時代はバブル期である。華やかなやバブル。

フリーターなんて言葉が、夢のために行動する若者と同義であったようである。

それが学生社会に浸透した、切欠はこれだろう『面接の達人』。

そうである。ワタクシが大学生のころに、熱心にニヤニヤしながら読んでいた

中谷彰宏氏の本である。この本に自己分析のことが書かれていた。

しかし最初はこういう考えであったのだ

「労働市場において有名企業は客であり、自分は一つの商品である。

だから企業に売り込むために、しっかり自分の利点を見つけだそう。」

そしてその後、このHPではもはや英単語でいうなら必須100単語に入る

みなさんご存知の通りの杉村太郎センセイが『絶対内定』を上梓された。

当然のごとく、ニヤニヤしながら読んだものだが、さて内容は

「小学校時代まで遡るほど、細部まで徹底的に人生を見つめ直して

目の前の就職活動ではなく、人生を丸ごと輝くものにしよう。」

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と、この自己実現。

このキーワードが流行るなら、企業の方だってほっておくわけがない。

自己実現のためなら、賃金は安くたって良いというような人間が増えれば、

企業にとってはより良い事である。企業には「コスト」という概念がある。

この点に関して、上述『ブラック企業』では丁寧に書いていた。

「人材もコスト」という認識が企業内でプライオリティーを占めるならば、

当然採用市場では「自己実現」を第一義に、広報活動を展開するだろう。

うちの会社では「若くしてこれだけ活躍でき(る人も一握りい)ますよ」と。

当然、上記のカッコ内は隠して。

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これから就職活動する人はきちんとその辺、きちんと斜に構えておきましょう。

そして就職する人と、仕事している人にはこの観点が必要です。

「仕事は人生において大きな意味をもつが、人生のすべてではない」

でもいつの間にかこの観点が忘れられてしまう(あるいは忘れさせる)職場が

世の中にはあることが『ブラック企業』には書かれています。

ということで、4回生は引っ越し先への移動の際でも読んでみたまえ。

少なくとも労働法については、そんなものがある事だけでも

覚えておいたら身を守れるかもしれまへんで。

そういえば上述の会長は「うちの会社には東大卒は必要ない」と昔言っていた

と思うが、おられたら分析されて困るから、というのも一つあるだろうね。

by 人生において暇であることを一番大事にしている、かんとく

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