『Free』について byかんとく

全日本選手権、開催中。

同大・吹田くんが明日決勝戦。

調子に乗っていた宮本弟を先般シバき、骨折が治って

伸びかけていた鼻を叩き潰してくれたのだが、

その相手・吹田君がチャンピオンにでもなれば、

きっと宮本弟も鼻が高いだろう(にやり)。

あと中央大学の服部君と保田君も同じLwで決勝戦。

服部君にボディーをばしばしシバかれていた山内も

きっと腹が割れるくらい嬉しいことだろう。

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さて、今週は親戚の結婚式があった為、週末大学には行かず。

移動のための新幹線が暇だったので、3年前に話題になっていた

『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(クリス・アンダーソン著、

高橋則昭訳、NHK出版)を読む。

なかなか面白かった。

今大学生では大流行りのソーシャルゲームの儲け方についての解説もあるが、

フリーの持つ歴史、人がフリーに対して持つ考えについての心理学的考察、

そしてこのデジタルというご時世におけるフリーの変遷。

そんな文章を読んでいて気づいたこと、そう、明日は大阪マラソンだ。

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ほんの10年くらいまで社会人において、かつて身体を鍛えるということは

=ジムに通う、ということだといっても言い過ぎではないだろう。

なぜならゲーム会社の持つスポーツクラブが大きく伸びてきたわけである。

(いつだったか忘れたけど、親であるゲーム会社は、かつて別会社の傘下企業だった

スポーツクラブ会社を完全子会社化した)

でも毎月金がかかかることが、全体を費用対効果の点で満足させることが難しい。

そしてデフレが続き、かつ健康志向が世を占めるにつけて人気が出てきたのが、

ランニングである。=走るだけ=フリー、である。

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ウェアや靴に金かかるが、金がなかったり、格好に興味なければ買わなくて良い。

でも走るからには満足できるタイムアップを出すためにスピードを得たい、

膝のダメージは最小限にしたい、好みの格好で走りたい、

といった欲望がムクムクと心と体を支配し、金を使うことになる。

入口は無料だし、安価に楽しむことができない競技ではないが、

お金をかけることがマイナスよりもプラスだと感じる人も何割かいるわけである。

そのおかげでスポーツ業界は結果儲けているのである。

ソーシャルゲームもほぼ一緒で、デジタルの場合は制作コストがもっと安い。

だから無料オンラインゲームは成り立つ、少人数の課金利用者さえいれば。

少ない時間でソーシャルゲームを楽しむ者は、ゲームキャラの体力の回復や

移動の利便など、時間の短縮にアイテムを買うわけである。

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でも、こんなアイテムはほぼ無いところに、ボクシングの面白さがある、と思う。

(全く無いということはない。パッキャオを始め、

プロの世界チャンピオンで特に米国で活躍する選手は有名トレーナーを高い金で雇う)

アイテムがないことは、有限の時間を最大限に活かす方法を学ぶ良い機会でもある。

うちの選手でプロのトレーナーに習うことも良いと思う。

しかし金を払うだけでは駄目だ。彼らはそこでの収入が生活の糧なのだから、

彼らの有限の時間は、興味の持てない選手には最小限になる。

それでは彼らに習う意味がない。

素晴らしい才能があれば、彼らも育てたいと思うだろうが、

残念ながらその比率は、主観的には5%というところだろう。

それでも情熱を込めて教えてもらいたいなら、何かしら教えたくなることをすべきである。

例えばジムの掃除であったり、トレーナーの息子に家庭教師をする等、なんだって良い。

そういう自分にとって少々の労力でも、相手がありがたいと感じられることを探し、

実行していけば、その選手は別の目で見られるだろう。

某ジムの会長は、うちの選手に「大学生だったら金がないやろ」と

タダで教えてくれていると聞いた。迷惑が掛かってはいけないから、

ここには名前は書かないが、ボクシングの知識、技術とも

非常に高いレベルの方にもかかわらず、である。

そんな相手には、特に相手の費やす時間と労力に感謝の念を持ち、行動してほしい。

そうすればロールプレイングゲームでいうところの、仲間が増えていく。

支えてくれる仲間が増えれば、強い相手との対戦にもより良い準備が可能になる。

by かんとく

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