丁稚先の先輩Tさんに借りた本の紹介。
『会社人生は「評判」で決まる』(相原孝夫著、日本経済新聞出版社)
キャリア、キャリアと叫ばれて久しいこのご時世である。
でも本当にキャリアてそんなに必要なんか、とも思うものである。
たとえば新卒採用で会社が求める「即戦力となる学生」という表現があるが、
それって形容矛盾ではないのか。
即戦力であるならば、それはもはや学生ではあるまい。
と同時にそれらの会社は、本来自らがすべき社員教育を
大学にアウトソーシングしているということではなかろうか。
それもおかしいことである。企業がアウトソーシングしているつもりでも
大学での学生の活動に関するものに対して、
学生の親御さんが大きい額の金銭を払っているという現実がある。
アウトソーシングに関しては人事部が悪いんじゃなくて、
会社側(つまりはトップの)考え的なものなんだろうがね。
・・・・・
そんな思い付きはさておき。本の内容で面白いと思ったところを引用(表題の件)。
この内容は現会社員、新入社員もさることながら、大学生にも心の隅に置いておこう。
「会社の中で稀に、年次の壁も突き破ってとんとん拍子で出世する人がいる。
そういう人に共通する1つの点として、誰もが認めるような試練を
乗り越えてきた人であるという点がある。
~中略~誰もがやりたがらないような大きな試練に立ち向かい、成し遂げたことに対して、
誰もが共感を抱くのである。苦労している姿には誰しも共感を覚える。」(同著p.196~197)
まあこの辺りはボクシング部員もよくわかると思う。
練習をしていない奴はみんなに軽い目で見られる。
その選手が強い選手あっても、みんなでやっている部活動(つまりはチーム)への配慮が
感じられないならば、きっとその選手のために積極的に手伝おうという気にはなるまい。
逆に今まで結果が出ていなかったとしても、結果のためによりハードなトレーニングを
厭わない選手や、後輩を思い、目をかけ、声をかけられる先輩は慕われる。
・・・・・
「神話や童話など、長く語り継がれている物語の構造を見ても、必ず『試練』という要素が
入っている。共感を呼ぶ物語の構造は共通しており、『旅立ち→試練→帰還』という
基本形をとっている。~中略~
その途上で出会いがあることや、試練を乗り越え勝利する経験を通して、
欠落していたものが再生されるというストーリーもおおよそ共通している。
『桃太郎』でも『オズの魔法使い』でも、『西遊記』でも、基本に忠実であり、
途中で一緒に戦う仲間と出会う。それらの仲間は何らかの欠落を抱えた、弱い存在である。
それが一緒に戦うことで大きな力を発揮し、欠落していたものが再生される。
このような、遺伝子に刻まれているとも言えるストーリーへの共感がある。
試練を乗り越えて事を成し遂げること、また、仲間と一緒に事を
成し遂げることへの共感である。」(p.197~198)
そうそう、そういうものである。
ワタクシもこの前、映画『モテキ』を見て、非常に感情移入できた(にやり、
板垣死すとも自由は死せず、結婚すれどもモテキは来ず。聞いてたんと違う)。
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そんな戯言はさておき。
まあ今回の龍谷大での1敗も、一つの試練ととらえておこう。
それを乗り切るのは其々の選手の努力と工夫である。
それを助けるのも周りのスタッフと出ない選手の考え方次第である。
さて、いい方法探しつつ、今までのことをさらに積み上げよう。
by かんとく