関関戦はここ数年は、スコア上、大差の敗北が続いていたので、
4-5というスコアはたいした進歩であったと思う。
昨日応援に駆けつけたS先輩からTELあり。
「仕事が終わったから今からのみに行かんか?昨日の反省会やー」という内容だったが、
すでに自宅で情・恋済ショーを見ていたため、お断りする。
1時間後、「やっぱり、昨日の試合について話したい」とのこと。
どんだけ好きなんでしょう(にやり)。
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さて、本題関関戦の総括。
【LF級 坂矢豊○RSC×谷洋介(2)】
谷はよくやったと思う。キャリアがまだ浅いので、ある意味この結果は仕方ない。
誰が悪いかといえば、体調管理のなっていない主将が悪い。
谷は主将に2、3回は飯をおごらせるべきだと思う。
実際主将が出てこの試合を取っていれば、関関戦勝っていたわけである。
それはそれとして。
LFをはじめとした軽量級はステップイン、ステップアウトが
重量級に比べれば頻度が高い。
谷がそういう相手に、自分のリーチを活かして戦うためには、
やはり前の手のスピードが大事である。
自分のリーチが届く位置でストレートを出し始めても、
かいくぐられてコンビネーションに持っていかれる可能性は高い。
谷はもっと遠くから、自分も2度ステップインしなければならない位置から
リードを出し始める癖をつけなければならない。
それがまず第一。
もうひとつはリーグブローの種類を増やすべきだろう。
前に出るにしても、外をとるにしても、リードブローを使いながらと
まったく使わない状態とでは、その効果は雲泥の差がある。
リードブローを出す位置、角度に工夫を持たせれば相手にとっては
非常にかいくぐりにくいことは間違いない。
そのために第二としては、いつ何時でもリードを出すのが苦でない筋力を
つける必要がある。
安藤か山田に聞いて、リードをダンベルもって打ち込みをしたらいいだろう。
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【F級 寺地拳四郎○RSC(2R1分55秒)×日上弘二(4)】
日上は唯一の最上学年だったので、負けて悔しかったのだろうが、
負けた後にあんな態度ではいけない。
負けて悔しいときこそ、なんともないという表情をしなければならない。
(逆に負けても、悔しくともなんともないとヘラヘラする人間がたまにいるが、
それは自分自身のやり場に困って、無意識に逃げの一手を打っているということ。
もっとも、本当に悔しくもなんともないなら、ボクシング自体をすべきでない。)
やるべきことをやって、それで負けたのであれば、それは自身の努力や工夫が
足りなかったわけである。
それを感情に任せて表現していては、自分自身の成長は期待できない。
そのやり場のない悔しいものというものを見つめなおして、
試合内容と練習方法を考え直すことこそ大事だ。
いい意味でも、悪い意味でも、日上は素直なところがある。
一生懸命パンチを出す、ということはいいことだが、最上学年ではそれだけでは足りない。
せっかくいいストレートを打てるならば、それをいかにどのタイミングで出していくか。
それを強いといわれる選手のビデオをみて、自分自身に印象付けるべきである。
目に見える練習だけが練習ではない。
聖書にこんな言葉がある。
「祈るときにも、あなたがたは偽善者のようであってはならない。
偽善者たちは、人に見てもらおうと、街道や大通りの角に立って祈りたがる。
はっきり言っておく。彼らはすでに報いを受けている。
だから、あなたが祈るときは、奥まった自分の部屋に入って戸を閉め、
隠れたところに折られるあなたの父に祈りなさい。」(ルカ11・2‐4)
祈りを自分自身の未来を開くための行動と捉えるならば、おのずと答えがわかる。
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【B1 宮本昌季(3)×1ポイント2○宮本健志(3) 59-60,58-59,60-57】
宮本は、今まで悪かった点を克服できたと思う。
強いパンチを打ち込まれてガードしたとき、重心が後ろにかからなくなった。
その点は評価できる。
が、自分の立場を考えればそれで満足してもらっては困る。
3回生になったのであるから、自分がエースであるという認識を持ってもらわないと困る。
エースは勝つときは3-0で勝たなければならない。
なぜならばそれこそが、次の人間に、チーム全体に奮起を促す試合であるからである。
そのために必要なものを、関大の宮本君がやっていた。
相手が後ろに重心をかける、あるいはブロックした際に動きが止まった際に
彼の場合はボディーをくわえたものだが、自分の得意なコンビネーションを重ねていた。
今は右ボディーがあたったとしても、ステップバックの割合が高すぎると思う。
右ボディーがあたった、あるいはガードされるのがわかりきっている場合、
その後に押し込む連打が必要だ。
たとえば右ボディーを打ち込んだら、左ひざにエネルギーがたまっている。
これを活用して左を上に返す。これを3,4度やったあとに、ステップバックをすれば
大概の選手はブロックの意識が、右(つまり左フックを警戒して)
上半身のバランスを崩すことになる。
その隙を作るために、もっと前に行く頻度を高めてほしい。
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【B2 藤井穣×1ポイント2○石丸達哉(3) 55-60,58-59,59-58】
パワフルに攻撃を出せるようになっている。
連打で藤井君を押し込んでいる場面が何度もあった。
が、押し込むことこそが目的になってはならない。
ボクシングは”殴り倒して勝つ”ものである。
押し込み、押し込みを繰り返していると、往々にして攻撃しているほうは
筋肉が緊張し続けている状態を生む。
しかし、それではいざ相手のガードがあいている状態があったとしても
スピードのある本当の意味で相手を打ち倒すパンチが打てない。
試合中に何度もリング外からのアドバイスがあったが、
相手が射程外に逃れたのであれば、そこは冷静にまずはリードから仕切りなおすことだ。
仕切りなおせば、相手との距離や逃げ方というもの、あるいはロープまでの距離なども
的確に判断し、攻撃戦術も選択肢を取り戻せる。
ここでいう仕切りなおしは、自ら下がるということではなく、
下がった相手を冷静に見るためのもの。
押し込むにしても連打の後、リードを主体として再度ステップインという方法を
身につけてほしい。
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【L1 坂晃典○RSC×山田将大(4) 1R2分7秒】
イケメン山田が、大学入って色気づき、髪型に意識のいったボクシング好きに
負けてしまった(にやり)。
2年生にしてすでにボクシングスタイルとしては、普通にレベルの高い選手でも
崩すのが難しい坂君相手には、荷が重かったかも知れん。
が、4回生でここで終わってしまっていいのであろうか。
就職活動が忙しいのはわかる。このご時勢だ。
だが、もう一度考えてほしい。
ワタクシは、ボクシングをやっている人間こそ”全部手に入れる”ようにがんばってほしい。
リーグ戦の勝利も、内定も、彼女も、大学生だからこそある時間を最大限活かすことも。
じゃあどうするか、ということを真摯に考えるとき、それが4回生の今の時期だと思う。
技術面に関して言えば、山田はセンスがあるので見切りができる。
が、見切りを”使う”のではなく、それに”頼っている”感覚がある。
相手の攻撃フェイズが1段だけならそれでもいいが、その後の攻撃パターンを
持っている人間に対してはそれだけでは対応できない。
最初は見切りで距離で交わす、入られたのを上半身で交わす、
でも今の山田ではその後がない。
その後入られれば必ずインファイト、打ち合いになる。
そのときの対応パターンを身につける必要がある。
そのための一番簡単な方法はガード。
どう取り入れていくか、まずはうまい選手がどうしているかを知るべきである。
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【L2 朝比奈竜汰×失格○高木利典(2) 3R2分50秒】
ほぼよかったと思う。
自分から前に出て打っていっていたし、3ラウンド開始前の指示で
「おそらくクリンチしてくるからそれを切って攻撃にいけ。お前の攻撃がいやだから
反則するんだからチャンスを逃すな」といったら、
見事に2回切ってロープ際に相手を維持できていた。
でもねえ、生活態度が悪い。
遅刻はだめですと、応援に来ていたご両親に進言しておいた(にやり)。
2回生ですよ。1回生にあなたは見られる立場、真似される立場ですよ。
遅刻の罰は、今のスタイルもあるが、関関戦前にふと思いついたひとつ。
遅刻したら、「繁華街にたくさんいる、看板持って立っている方のように、
看板持って学内をうろつく」
やりたくなければまずは生活態度。
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【LW級 岡崎郁也×1ポイント2○金澤健太郎(3)58-59,60-58,58-59】
負けたかなあ、と思ったけど、勝ててラッキー。
でも3ラウンド目の動き、非常によかった。
あれを1ラウンドからやれるようになれば、もっと試合運びも楽になるはず。
あとは立教の関東君と瓜二つの性格。
なんでLwで6kgも減量せなあかんねん!
減量を3kgに抑えれば、その時間、その労力をパンチ力強化に配分できるだろうに。。。
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【W級 合田圭佑○ポイント×吉田拓矢(2)59-57,58-59,60-57】
よくできました。花丸。
試合前に「吉田、そういや、お前にサウスポー対策教えたっけ?」ときいたところ、
「いや、教えてもらってないです。知りません」
それにしてはよくできた。キャリアのある合田弟に激戦を繰り広げ、OBみんな評価してた。
OBがこんなに評価するって久々だ。
ただ、パンチのもらい方が悪い。効いちゃってるなあ、と思うこと2度。
ウィービングとか上半身の使い方、今度教えます。
もらって効くパンチも、ちょっと位置をずらせば、多少効いたかな、にできます。
後はジャブの打ち始めが、谷と一緒で近すぎるから相手のパンチに緊張せざるを得ない。
打ってはいる位置をもっと意識しよう。
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【M級 伊藤駿○RSC×田尻健太(3)2R2分28秒】
あれでいい。
負けたけど今の自分を認識できたなら問題ない。
あれだけ打って入ったなら問題ない。
今まで練習してきたステップもサイドを取るのも、打って入って始めて活きてくる。
惜しむらくは右ストレートで終わっていた点。
左フックまで持っていければ、もっと試合の流れが変わった。
強い左フックを打てるのだから、そこまで持っていってほしい。
あと、先ほどTELのあったSさんからのアドバイス。
自分のナチュラルパワーを活かせていないのは、腰の位置の問題。
田尻は足幅が広く、上半身が寝る傾向がある。
足幅をあと一足分(27cmくらいか?)狭くすれば、もっと強くパンチが打てる。
それにより上半身のパワーをロスしなくて済む。
たぶん、Sさんが頼まれてもないのに教えに来るから、よく聞いておくように。
それを何とか2週間で修正できれば、次は勝てる。
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【応援 ならびにほかの部員】
今までより応援の点ではよかった。
が、試合している選手が”お見合い”をしているのと同じく、応援している選手も待ちすぎ。
パンチがあたったら、拍手しよう、声を出そう。
拍手した手がはれたって、翌日には治る。
声を出してのどが痛んだって、3日もあれば治る。
でも選手が負けてしまえば、いつまでたってもその記録は残る。
応援をして何の意味があるか。
きっと何の意味もないだろう。
でも、いままで試合に向けて一緒に練習してきた選手が試合に勝つとき、
みんなでやりきったって思いたいじゃないか。
打たれたとき、彼を一人にするな。
彼が打ち込めば勝てるとき、彼の後押しをしよう。
声が届こうとも届かなくとも、彼が一生懸命やってきたことを思い出させられるのは
一緒に汗を流した人間、彼の動きを見てきた人間だけである。
by かんとく