実家は鉄屋である。
だから鉄の話、というわけではない。
表題の”鉄”の世界とは、”鉄ちゃん”の世界のことである。
昨日、飲みに誘われた。
”鉄ちゃん”(或いは鉄子、つまるところ鉄道マニア)の会合だという。
思えば、ワタクシは自身の興味のある会合には、
自然と誘われ、いの一番に参加し、しかも結構その場で語ることを
楽しめる人間である。
(ボクシングの会、プロレスの会、恋愛ソムリエの講義を受ける会云々)
しかしながらそれが為、”アウェイ”という空間に行ったことがなかった。
ということで”アウェイ”である、”鉄”の会、恐怖に身をこわばらせながら参加したが、
その実、ものすごく楽しかったりした(にやり)
・・・・・
ワタクシの丁稚先、実は鉄ちゃんが多数存在する。
日々、「すさまじきは宮仕え」と思っている人間が多数存在するのであろう。
日常から切り離された、鉄ちゃん(或いは鉄子)になるということは、
非日常を満喫するという意味での、リフレッシュにつながる模様。
この会合で忘れてはならないものが二つある。
時刻表と日本地図である(にやり、がワタクシは双方非携帯)
・・・・・
以下、参加していた鉄子の独白。
「この前の連休で、岡山でまだ制していない路線に行ったんです。
事前に用意はして、ルート、乗り継ぎなんか完璧に予習してたんですけど
思ったより車窓からの風景がよかったんで、うっかり乗り過ごしちゃったんですよ。
でもね、乗り過ごしてそのままにしていたら、次に乗るはずだった路線が
ローカル中のローカルで、その日の後の便がまったくないことに気づいたんです。
私も普段ならおっとりしているっていう評価をされるくらいだから、
まあそのまま次の日に予定を下げるって、監督さんもお思いでしょうけど
でもね、そうすると、今回の連休で乗るルートが全部狂っちゃうんです。
それは非常に困るんです。ローカル線が次来たらあると思ったらだめなんですよ。
最近じゃあ、結構廃線になることとか増えてるんですね。
だから私も必死でしたよ。
乗り過ごした駅まで戻って、そこでタクシー拾って、でですね、
『さっき出た○○線の電車追っかけてください』って言って追っかけてもらいました。
ええ、財布の中にはお金があんまりなかったんですけど、
普段なら絶対に言わないような、『○○円しかないんですけど、
どうしてもあの電車に乗らないといけないんです』って無理を言って
追っかけてもらいました。
タクシーの運転手さんは『大阪に帰るなら(違う線だけど)××駅までいくから
そこで乗ったらいいんじゃないの?』とおっしゃってくれましたけど、
『そういうことじゃないんです!』っていって、なんとか2駅後に追いつきました。
よかったです、ホント。
乗らなかったらぜんぜん路線つぶせなかったですし。
(この彼女は全国の国鉄の沿線の65%を乗っているが、
それでも『あと35パーセントも乗ってないんです!』っていうような子です)
ま、そんな状態だったんですけど、私はその土地の名物駅弁の
釜飯の袋提げてたんですけど」
”鉄”の世界恐るべし。
部員の皆さん、いい意味でその姿勢を見習いましょう。
by かんとく